小学校体育連載⑤ 「ゴーグルがなぜ禁止!?」
学校体育研究同志会 牧野 満
プールの授業場面を一つ。
水に顔をつけられずに泣いていた1年生のA君が、
「Bちゃんの口からぶくぶく息が出ているよ。見てごらん。」
教師の巧みな言葉に促されて、
A君はゴーグルを両手で目に当てて、そーっと水の中をのぞいたのです。
ゴーグルは水泳の様々な場面で活躍するのに、どうしてダメなのか?
どうしてそんなに頑なに禁止するのか?
これこそ学校の七不思議の1つとして挙げられるのではないでしょうか。
私は海パン(いや水着)と同じくらい泳ぎに欠かせない必需品だと思います。
禁止する理由として
①ゴーグルをすると水の中で目が開けられなくなる。
→私は過去に調査をした事があります。
かつて勤めていた学校では「水泳がうまくなるからゴーグル大いに結構」
と積極的に使用を勧めていました。
ですから、1年生からゴーグルをして泳ぎます。
そう言う子ども達が、果たして6年になって目を開けられないのかどうか
2年間に渡って調べたたところ、
誰一人として水中で目を開けられなかった子どもはいませんでした。
②ゴーグルは保護者に金銭的な負担が大きい。
→ゴーグルのない家庭を見つける方が難しいでしょう。
しかし、ゴーグルをすれば、
①ゴーグルは目が保護できる。プールの塩素による目の痛さを訴える子どもや、
目を真っ赤に充血させる子どもがいます。粘膜という体の弱い所は保護すべきです。
②ゴーグルをすれば水泳がうまくなる。
水への恐怖心を取り除く事ができます。
顔をつけられない子ども、泳げない子どもには大変有効です。
また、ゴーグルをつけると、よく見えるので、
アゴの上下動や手足の位置の観察がしっかりできます。
泳ぎがうまくなります。
③生活の中で何もつけずに泳ぐことはまずない。
海や川、プールなどを始めとして、生活の中で何もつけずに泳ぐことの方がまれでしょう。
ゴーグルが泳ぎにとても有効だという事実は多くの教師が知っているはずです。
それにもかかわらず、また、もっともだと思える理由がないのに
禁止している学校が多いというのには驚きます。
みなさんの学校はどうでしょうか?