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センセのガッコ奈良

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いい教育がしたい!とがんばる奈良の先生のために

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6月23日(土)教育基礎講座② 学級づくり 
奈良学国際セミナーハウスで行いました。
10名が参加しました。

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学級づくりの報告者は2名。
まずは、3、4年生の学級づくりを
宇田佳彦先生(奈良市立あやめ池小)が報告してくださいました。
宇田先生は、全国生活指導研究協議会(全生研)の実践家らしく、
班活動や係活動などによって、子ども同士のかかわりあいをつくり、
豊かな学級の文化を創りだしていくという実践を
具体的なエピソードをまじえてお話くださいました。

次に、5.6年生の学級づくりを
塚本裕子先生(伏見南小)が報告してくださいました。
塚本先生は、思春期前期のむずかしい子どもたちを
さまざまなトラブルや荒れの中でも子どもたちと正面から向き合い、
参観日や綴り方などで子どもの成長の様子を保護者と確認しあうとりくみによって
子どもや保護者たちがかわっていったという実践を報告されました。

お二人の先生とも、子どもたちに対する愛情があふれる
とてもすばらしい実践で、
やっぱり学級づくりってドラマがあって、やりがいのある仕事だなあと思わされました。
お二人の実践のほんの一部を、後日このブログで連載させていただく予定です。
お楽しみに。

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今回の教育基礎講座では、新風堂書店さんの協力により
教育書や絵本の展示販売も行いました。
「この本いいで~」「子どもやよろこぶよ~」と
お互いにアドバイスしながら、本を片手に教育談義にも花が咲きました。
また、次回でもやりたいと思います。

次回は、いよいよ夏休み。
7月25日(水)に図工の水彩画の指導を実習でおこないます。子どもにどうやって絵を指導したらよいかわからないと悩んでおられる先生は
またとないチャンスになると思います。
講師は山室光生先生(奈良教育大附属小、美術教育の会)過去2回、教育基礎講座でお世話になりましたが、大盛況で好評の講座です。
ぜひ奈良県教育会館(奈良県文化会館西隣のビル)にお越し下さい。
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by sensenogakko | 2007-06-24 23:47 | 教育基礎講座
連載④最終回 学校という〈子ども達のふるさと〉を創る

土曜の夜にもかかわらず、「ホタルを観る会」に集まった700名を超える親子や地域の方がたであふれる体育館の様子を、私たちは感慨深げに見つめていた。

くやしい思いを味わった不祥事での保護者会のことを思い出しながら。

失われつつある地域の生物環境を、人工の池や林をつくることにより回帰させようとするビオトープ(生き物のすみか)づくりのとりくみは、各地で広がりつつある。

ニュータウンの真ん中にあり、校区には水田も川もないS小で、私たちは8年前から、子どもたちと一緒に池を掘り、ガマやミゾソバ、ヒガンバナなど少しずつ植物を植え、クロメダカなど生物を放して、学校ビオトープを広げてきた。

そこにたたずんでいるとなぜかホッとする不思議な場所。

休み時間ともなると、子どもたちが集い、遊び、憩う場となっている。

そこに寄り集まってきたのは、昆虫や鳥ばかりではなかった。

アヤメ、ジュンサイ、ヒシ、ハス、サギソウなど珍しい植物を提供してくださった地域の山野草愛好会の方、カブトムシの幼虫を提供してくださった保護者など、地域の方々が学校のとりくみに共鳴してたくさん集まってきてくださった。

そんな方たちに、私が「今度はホタルを飛ばしたい」と協力を申し出たときには、さすがにその無謀さに腕組みをされてしまった。

しかし、笠置蛍の生息を守る会の方に全面的な協力を賜り、ホタル用の川の工事費を市から獲得して、夢の実現のためにみんなが力をあわせた結果、ついに朱雀の空にホタルは飛んだ。

最初の年は5匹だったが、昨年は40匹ほど確認している。

今では、S小でのホタル狩りは地域の夏の風物詩となった。

学校は、子どもが育つ地域づくりの拠点だ。

その地域づくりのコーディネイターとして、保護者や地域住民と共に、子どもたちの成長のための教育課程をつくりあげていく力は、今、教職員に求められる新しい専門性なのではないか。

「ホタルを観る会」では、ビオトープの写真をスクリーンに映し、その様子や歴史などを紹介した。

その最後に、私たちは参加者のみなさんに呼びかけた。

「ぬくもりと子らが持ち生くふるさとの原風景をともに描かむ」

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ほたるを観る会
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by sensenogakko | 2007-06-17 13:40 | 教育実践
連載③ 聴き合い伝え合う学びを創造する授業

「全員で公開授業をやりましょう!」研究主任の私が職員会議で提案したとき、先生がたは一様に複雑な表情をされた。

先生たちは、研究授業が嫌いだ。

子どもの現実に関係なく設定され、終わると忘れられる研究テーマ。

見せるために、体裁を整えるために準備しなければならない膨大な資料、特別な教材、「美しい」教室環境。

あらかじめつくった結論に子どもたちを誘導するような発問と授業まとめ。

研究授業が「出世」や「業績評価」の材料になることもある。

そんないや~な経験を積み重ねてきたからか、先生がたは同僚同士でもなかなか授業を公開しようとはしない。

授業の内容や指導について、お互いに指摘しあわないことが職場のエチケットにさえなっている。

しかし、学校生活の大半は授業なのだから、授業がわからない、おもしろくないでは、子どもたちばかりか、教師だって学校が楽しくないだろう。

私たちは、まず授業で使ったプリント類や教材教具をデータベース化して共有することで、それぞれの実践を開かれたものとすることから始めた。

そして、慎重な論議の上に「できるだけ普段の授業を公開する」「授業の『うまいへた』『成功不成功』ではなく、子どもと教師・子ども同士の関わりを評価する」「発問・指示などの授業技術より、子どもの学びのあり方を評価研究する」「参観者も授業に参加してよい」など12項目の〈見せるための授業、研究のための研究にしないための申し合わせ〉を確認して、全員公開授業にとりくんだ。

その中で、子どもたちの課題から論議し設定した研究テーマ「聴き合い伝え合う学びの創造」をめざして話し合い、学びあった。

次年度には、外部から「名人」教師を招いてモデル授業をしていただき、子どもたちの瞳が輝く授業づくりの方法とその楽しさを学んだ。

そして、研究グループごとにテーマを設定し共同で授業づくりをした。本当に自分たちがやりたい授業をみんなでつくりあげた。

「みんなからの意見も、見せてもらった授業も、とても楽しかったし、学べたわ。こんな公開授業やったらいいかな。」ベテラン先生の笑顔が、公開授業で見た子どもたちの笑顔に重なった。

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公開授業は楽しい?!
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by sensenogakko | 2007-06-10 10:16 | 教育実践
連載② 自由で豊かな遊びを子どもらに

木曜日の朝、1年2組担任のたまみ先生は、「ゆうたは風邪で欠席します。今日の〈ら・ぽうる〉に参加できないのをくやしがっております。」という母親からの連絡帳をうけとった。

〈ら・ぽうる〉とは、木曜日のロング昼休みに月一回行われる遊びの広場である。

徹底した子ども論議の中で、先生方から様々な子どもの実態が出された。

「『親の期待』を背負い、『転ばぬ先の杖』がいっぱい刺さった子どもたち」「肥大化した自我のぶつけ合いを調整したり解決したりできない子どもたち」「『仮面』をかぶり、本当の心は簡単には見せまいと身構える子どもたち」「ストレスをためこみ、愛情に飢えた子どもたち」・・・。

生活実態調査からは、帰宅後も休日も、友だちとの外遊びの機会は少なく、ゲームにマンガ。
塾や習い事に忙しく、囲い込まれたような生活を送る子どもたちの姿が浮かび上がってきた。

幼児誘拐殺害事件以後の一斉下校により、学校での放課後生活は奪われてしまっていた。

そんなS小の子どもたちの成長に必要なものは、「英語」でも「コンピューター」でもなく「豊かで自由な遊び」だ!それが、議論の末、私たちが出したひとつの結論だった。

「学校=勉強」という固定観念や、受験・学力競争を煽る世間の雰囲気の中では、勇気の要ることだった。

職員内でも賛否両論はあったが、私たちは毎週木曜日の掃除時間をなくして、45分間のロング昼休みの実施を決断した。

その時間に、教職員と希望する児童スタッフにより運営される遊びの広場〈ら・ぽうる〉、保護者有志の読み聞かせ〈Sお話の会〉、児童会運動委員会主催の〈スポーツ大会〉、自主的遊びサークル〈虫クラブ〉など自由参加の様々な遊びの場がつくられていった。

忙しい先生方も、木曜くらいは子どもたちと遊ぼうと外に出て行く。

これらが、子どもらに大歓迎されたのは言うまでもない。遊びの中に居場所を見つけた子は、学習や生活の充実にもつながっているように感じる。

そんな様子を見て、保護者にも理解と支持が広がっているように思う。

金曜の朝、風邪が治って登校したゆうた君は、担任のたまみ先生の笑顔と、友だちが〈ら・ぽうる〉で工作したスライムのプレゼントに迎えられた。

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ら・ぽうる の様子。スライムづくりは毎回大盛況だ。
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by sensenogakko | 2007-06-05 23:08 | 教育実践
連載①スタートは徹底した子ども論議から

その夜、校長は体育館に集まった百人あまりの保護者たちの前で深々と頭を下げ謝罪した。

それは5年前、S小に在籍していた栄養職員が給食費を横領していたという“不祥事”であったが、その後に保護者から発せられた意見は、横領の件にとどまらなかった。

このときばかりと次々に出された、日ごろの教育活動に対するクレームに、私たちは二重のショックを受けた。

営々と築き上げてきたはずの、〈学校への信頼〉というメーターの針が、一気にマイナスに振れるのを痛感しながら、緊急保護者会のイスを無言でかたづけた夜・・・。

あの無念さの経験から、私たちの学校づくりは本格的に始まったのかもしれない。

「ゆとり」にせよ「学力」にせよ、「愛国心」にせよ「英語」にせよ、上からやらされ右往左往させられる教育、「百マス計算」にせよ「朝の読書」にせよ、世間でのはやりに安易に流される教育に、私たち教職員は正直、辟易している。

「時代が求めている」のだとしても、「保護者が望んでいる」のだとしても、それが目の前の子どもたちの実態や成長の課題とかけはなれているものであれば、子どもは育たない。

子どもたちが目を輝かせて生き生きと学び成長し、保護者や地域住民と、安心と信頼とにつながり、私たち教職員が働きがいを感じてがんばることのできるような「私たちの学校」を創りたい!

そのスタートは、「S小の子どもたちとは、いったいどんな子どもたちなのか?」という徹底した子ども論議からだった。

私たちは、まず子どもたちの実態を出し合い、学力・体力・生活調査をし、子どもや保護者から意見や願いを聞き、子どもや地域の実態・課題を明らかにした。

その上で、めざす子ども像を話し合い、あらためてS小学校教育目標をつくりあげ、子ども観・教育観として共通理解するとともに、学校づくりの方向性として、教育課程づくり、授業実践、教育環境整備などあらゆる教育活動の柱とした。

私たちの「豊かで自由なあそび」と「聴き合い伝え合う学び」を創造する学校づくりは、こうして始められた。 

                                    奈良市立S小学校 教諭 Y
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ビオトープでめだかすくい
                               
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by sensenogakko | 2007-06-05 00:04 | 教育実践