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by sensenogakko | 2008-12-30 16:44 | 教育基礎講座
2 AD/HDの原因の仮説等について

 (1)診断は共通の認識のもとに、協力して取り組むためにします。

  『AD/HDという診断をつけることはレッテルをはることではなく、本人のみなら
  ず、親や教師がひそかに抱いていた不安から開放され、共通の認識の下に、明確な目
  標を持って協していくために必須の事であるとみなされているのである。 略 AD
  /HDと診断され、本人もその意味を知れば、それまでの自分に対する周囲の反応の
  多くが本人自身の本質ではなく、AD/HDという状態によって引き起こされていた
  ことに気づく。低下していた自負心も、自分が悪いわけではないんだということを理
  解することによって改善する。』 ADHDの医学 榊原洋一著 学研

 (2)いくつかの原因の仮説がありますが、症例の多くに家族的な素因が見られます。

  ①前頭葉機能障害 前頭葉(右)の血流低下や代謝の低下説。脳内の神経伝達に必要
   な、ドーパミンの量の少なさ、脳の未熟性。
  ②家族的素因、トランスポーターやレセプター(D4)の異常説等があります。
  ③微細脳機能障害(幼児期に頭部の外傷、てんかん、頭部放射線治療後)
  ④親の麻薬中毒、アルコール中毒、喫煙などの影響もあると言われています。

 (3)問題(困難)点について

  ①社会的な関係を結ぶのが困難な場合が多い。
  ②大人になっても障害を残す人もいる。
  ③9才の節を乗り越える時期が、脳の未成熟のために、数年遅れる事があります。
   (現在・過去・未来の3次元の思考が困難な子がいます。2~3年程未熟という)
  ④AD/HDの人は、相手の心の動きや、顔の表情の意味を読み取るのが難しい。
   人間が社会で活動していく為には、相手の顔の表情や言葉から、感情の変化や心の
   動きを読み取り、それに対して自分の言葉や行動で、相応しい対応をしていくこと
   が求められます。幼児期の4才半から5才ごろまでに、その能力は獲得されるとい
   われています。この点にAD/HDの人や自閉性障害(高機能・ASも含め)の人
   には、弱さがあります。幼児期から小学校中学年にかけて絵本の読み語りや絵を描
   けるようにする、イメージ力を育てる指導が最も大切です。

 (4)メチルフェニデート(Methylphenidate)、商品名リタリン(Ritalin )の服用と効果
  3時間~5時間効き目がある。日本では健常者などが不正に使用して依存症になった
  問題で、2007年秋に睡眠障害以外は使用禁止。AD/HDと診断され、服用の場合は
  依存症の心配は無いと日米の医師は報告。18才以上の治療薬が日本では無くなった

 (5)コンサータ(Concerta)、塩酸メチルフェニデートの徐放剤で2000年にアメリカで
  販売。現在世界50ヵ国で承認を受けて使用されている。1日1回の服用で効果は約
  12時間持続する。コンサータは登校前に服用する事で、学校での服用が不要になり、
  治療効果に加えて、患者や関係者の負担が減り、プライバシーの保護にもつながる。
  日本では2007年10月に承認されて、2008年から15才未満のAD/HDに使用適応。
  15歳未満までに診断、薬の治療を受けている人は、18歳未満まで使用ができる。
  ★効用について、次のような効果が見られる。① 注意力の向上で課題がこなせるよ
   うになる。② 衝動性をかなり抑えられる。③ 指示に従えるようになる。攻撃性
   が減る。④ 運動調節機能、短期記憶が改善される。⑤ 対人関係が改善される。

 (6)アトモキセチン(AD/HDの治療薬で非中枢神経刺激剤に分類される唯一の薬剤で
  米国では03年発売)が07年6月に小児・思春期の適応症の承認申請。2008年度中には
18歳以上の成人での適応症取得の為の第3相臨床試験開始予定。
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by sensenogakko | 2008-12-30 16:42 | 教育実践
(4)AD/HDは、最近やっと日本でも注目されるようになった障害で、
 英語の「Attention-Deficit / Hyperactvity Disorder」の頭文字をとったものです。
  「注意欠陥/多動性障害」と訳されていますが『注意の欠陥(欠けている)ではなく
  注意を持続する、集中をうまくコントロールする事が難しい実行機能の障害です。』

  ①特徴的な症状は『行動抑制力の障害』と言われている。
   実行機能の障害、自己コントロールに弱さがあります。
   私達は、思いついたら現状と過去の記憶と照らし合わせ、善し悪しを考え、
   総合的に判断してから行動を起こします。
   AD/HDの人は思いついたら、判断する前に行動を起こしてしまう。
   つまりいったん始めだした行動を途中でブレーキをかけられず、
   止めることができないという特性があります。
  
  ②男女比は2~4対1程で男子に多く、3~4才頃の発症が多く7才までに発症する
   診断は医師が、DSM-Ⅳ-TR等を用いて行います。
   アメリカでは発症は7~8%との報告。
   2003年の文科省は、通常学級の児童生徒の中に3%はいると報告。
  
  ③AD/HDの対人関係、社会関係、教育の基本的な構えとして
  ・集団参加の場合に、多くの問題を起こします。
   障害の特性のために沢山の情報のなかから、自分に必要なものだけを、
   上手く整理して取り込むことが難しい。

  ・不注意優勢型(女子に多いと言われる)では、不注意のために、学習に集中できず
   おとなしいので見過ごされて低学力になり、不登校になる場合があります。
   不注意優勢型は、思春期や成人の女性にも多く発見されている事に注目しましょう。

 ④LDは日本では、学習障害と呼ばれ「Learning Disorders 」(以前は、ディスアビ
  リティー、何かができないから→何かが秩序正しく機能しないのディスオーダーへ。
  新しくは「Learning Differences」(学習方法の違い)とも言われ、その頭文字です
  アメリカのDSM-Ⅳ-TRでは、四種類「算数障害、読字障害、書字表出障害、特
  定不能」の4つに分けられます。
  アメリカでも統計によって異なりますが、2004年には10%と報告されており、
  日本でも3%はいると発表されています。
  男女比としては4対1程度で男子が多く、
  低学年や中学年での読み書きの学習時の発見が多いです。

 ⑤自閉性障害(知的には遅れのない高機能自閉、アスペルガーの診断が増えている。)
  自閉性障害とAD/HDの両方がある場合、診断名は自閉性障害とつきます。
  36ヶ月までに発症し、男女の発症率は、4対1程と言われる。
  民族、階層に関係なく、自閉は千人に4人程度といわれ、
  最近は広汎性発達障害は百人に1人といわれている。

DSM-Ⅳ-TRのAD/HD診断基準 (詳細は略) 
☆AD/HD(注意欠陥/多動性障害・Attention-Deficit/Hyperactivity Disoder ) 
 ①不注意型(女性に多い)                           
 ②多動衝動性型(男性に多い)
 ③混合型

学習障害の変遷 Learning Disability →Learning Disorer →Learning Difference
 (学習の障害、出来ない)→(・・が秩序正しく機能しない)→(学習の方法の違い)
 学習障害(Learning Disorders)
 ①読字障害(Reading Disorder )②算数障害(Mathematics Disorder)  
 ③書字表出障害(Disorder of Written Expression)       
 ④特定不能の学習障害(Learning Disorder Not Otherwise Specified)

アスペルガーについて 
 オーストリア医師のアスペルガーが研究発表したが、
 長い間注目されなかった。
 イギリスのローナ・ウイングが自閉症スペクトラムの中の一つとして再評価。
 アスペルガー症候群とした。
 アスペルガー症候群は知的な障害はなくて、他の自閉性障害と比べると、
 言語の発達も比較的良い。
 人とのコミュニケーションも良さそうに見える。
 しかし、相手の顔の表情の変化や言葉や状況等から総合的に
 相手の感情や思いを判断する事などが難しく、対人関係での困難な面が多い。
 9才の発達節前後から診断されることが多いですので、
 小中高大学校の先生はこれからはアスペルガー症候群についても、
 深い知識が必要になります
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by sensenogakko | 2008-12-30 16:41 | 教育実践
1 AD/HD(注意欠陥/多動性障害)とLD(学習障害)とアスペルガー症候群

(1)障害の重なり 以前には微細脳損傷(Minimal Brain Damage)と呼んでいたものを、
  新たなカテゴリーが存在するとして分けたものです。


①行動上の問題を示すものをAD/HD ②学習上のも問題を示すものをLD
 AD/HDやLDや自閉性障害、アスペルガー症候群を併発している人もおりま

(2)AD/HDやLDの研究の変遷について(詳しくは専門書を読んでください)
 欧米では1900年代の初め頃から、文字が読めない人が問題視されだしました。
 Dyslexia→ Learning Disability → Learning Disorder →Learning Difference

 難読症     LD(学習障害)(秩序正しく機能しない) (学習方法の違い)
 ディスレクシア      ↑
 (読み書字が難しい)          1980年  1987年   1994年   2004 年
              ・学習障害 DSM-Ⅲ  DSM-Ⅲ-R  DSM-Ⅳ DSM-Ⅳ-TR
  脳障害→微細脳機能障害 ・多動 →ADD →ADHD →AD/HD 〃
                  注意欠陥障害 注意欠陥 注意欠陥/多動性障害
                         多動障害(不注意/多動、衝動性)
(3)発達の節(発達障害との関連)                        
  発達課題 ライフサイクルと関連させて
 0才~1才 基本的信頼感『絶対的に守られ,受け入れられているという体験』
 2才~3才 自律性『自分の身体機能を自分で制御できたという体験』
 4才~6才 自発性『見守られている中での自発的行動が保障されている体験』
 7才~12才・生産性『知識、技能、創造に関して達成感を感じられる体験』 
      ・集団性『家族以外の集団で活動する楽しさを感じられる体験』     
 13才~22才・前期思春期は集団同一性『同世代の文化に所属しているという意識・
       同世代から受け入れられているという意識』
      ・後期思春期は個の同一性『同世代と違っていても、自分はあるという意識
       違う部分を持つ自分の受容、さらに自信、違う部分を持つ他の人の受容』

☆これらが体験できないと、不安や攻撃性、衝動性、不全感が高まり、学習意欲が低下 
 し自信喪失へつながり、結果的にひきこもりや攻撃行動、非行などの社会不適応を起こ
 しやすくなります。(カラフルライフ31月号・品川裕香さんの文より引用)

◎特別支援教育支援員の任務は、発達障害児の不安感や困り感、集中力や表現力等の困難
 を理論的にも感情的にも理解して、授業や集団行動に参加できるようにサポートする事

★AD/HDやLDやASや高機能自閉児は、相手の立場(第三者)に立って考える事が
 困難な場合が多い。顔の表情の変化は分かるが、その変化の意味を理解したり、相手の
 感情を読み取ったり、その場の雰囲気から言外の感情を理解することは難しい。

★LD・ASの場合は、小学校に入学後に対人関係の問題や、知的な遅れがないのに学力
 面での問題で発見される場合が多く、不適切な対応により不登校等の問題が顕在化する

◎指導上の留意点としては
  ①感情表現の仕方(顔の表情の変化)や、適切な行動の仕方を教えたりする事がとて
   大切な発達課題になる。幼児期からの個別指導が、この点では特に大切である。
  ②LDやAD/HDの人で、絵や文字をかくことができにくい子には、絵本の読み語
   りや音読をさせる等の指導でイメージ力を育てる。特に前頭葉の右脳を育てる取り
   組みが、保育所・幼稚園等の幼児期や小学校中学年までは特に大切な課題である。
  ③AD/HD・LD・自閉性障害(AS・高機能自閉性障害)には、家庭や園や学校
   での絵本の読み語りでイメージ力を育て、描写活動等で豊かな言語生活を保障する
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by sensenogakko | 2008-12-30 16:41 | 教育実践
えじそんくらぶ奈良「ポップコーン」 教育相談員 西田 清先生による
「AD/HD・LD・ASの障害の理解と発達」の連載を始めます。
軽度な発達障害の理解と子育て・接し方についての基礎的な知識を学びましょう!!


第一部 基礎編 AD/HD・LD・ASの障害の理解と発達①

NPO法人 えじそんくらぶ奈良「ポップコーン」 教育相談員 西田 清

    URL http://www.hpmix.com/home/naraadhd/

Ⅰ 『困った子ども』ではなく→『困っている子』の対応、子育て・療育・保育・教育

★文化の違いを大切にする(異文化交流とは、相手の考えを理解し、尊重すること)

障害のある人について、私達は「初めて日本に来た、日本語の分からない外国の人に
接するのと同じように」その人の持つ見方、考え方、感じ方、独特の文化を尊重した
接し方が大切です。

AD/HDの人等は、「みんなと一緒に、早く、同じようにする」のが
最も不得意の文化を持っています。
アメリカ等では一人ひとりの個性を大切にして、
教室に掲げてある目標には『Be differente!』(違った存在であれ!)
と書かれている事が多いようです。

★障害という言葉

〔・disability の する能力を欠くこと。
・disorder 何かが秩序正しく機能しないこと。
・handicap 生活に支障をきたすこと。
◎challenger  挑戦者という場合もある。
◎ワーシングトン 氏「発達障害ではなく、彼らはteaching disabilit(指導障害)だと
  捉えます。子ども側の問題ではなく、教育する側の問題だ」〕
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by sensenogakko | 2008-12-30 16:41 | 教育実践
今年最後の講座は、三嶋慈子先生と文学「ごんぎつね」の教材研究をしました。

はじめは、三嶋先生から、「文学作品の教材と教材研究」(中村正論文)
を話していただきました。
子どもの心をとらえる文学教材を。
子ども達が胸をときめかせて文学の世界に入り込んで行けるような作品を教材として
子ども達に与え、豊かな感性と確かな認識力を育てなければならない。

よい文学教材を選ぶこと、「ごんぎつね」は、50年以上も教科書に取り上げられている。
すぐれた教材である。

「読み」の力をつける教材研究をする方法として、「ごんぎつね」を例に、
①作者と作品傾向を調べる  新美南吉の生涯、昭和初期の経済大恐慌期の作品
②事前に教える方が豊かな読みになると思われることがら  おはぐろ、火縄銃
③教材の構成上の特徴をつかむ
 ・視点 外の目か内の目か 「わたし」は話し手、ごんの視点、兵十の視点
 ・構成 段落 6章を12段落に分ける
 ・登場人物について  ごん・兵十・加助の特徴や性格
 ・主題・思想 「青い細いけむり」は、悲劇の象徴
④表現上の特徴 倒置文や擬音語
⑤たしかめよみ
⑥まとめよみ

その後、「ごんぎつね」の12段落を、かけ足で教材研究をしました。
三嶋先生からの発問を、参加者が答えるという形式で1時頃まで進めました。
参加者は、5人でした。

■ 参加者の感想

□ 今日は、ごんぎつねの授業を教えていただいてありがとうございました。
発問の仕方も「どんな気持ちだと思う」とすぐに聞くのではなくて、表情や声から考えていくと、
いっそう相手の気持ちがわかり、なるほどーっとすごく実感しました。
また彼岸花の写真や六地蔵さんの様子も子ども達に見せてあげたり、
事前に調べたり研究することはとても大切なので、がんばろうと思いました。
勉強になりました。ありがとうございました。
また、いろんな文学も教えていただけたらうれしいです。

□ 三嶋先生の発問・視点を聞きながら勉強させてもらうと、
大人でも本当におもしろい作品だと実感しました。
深く教材研究すると自分自身心がゆさぶられる思いでした。
子ども達に伝えていきたいという気持ちになりました。ありがとうございました!

□ 少ししか聞かせていただけなくて残念でしたが、
文学作品のおもしろさにふれることができました。
自分が好きになるとことということは本当にそうだなと感じます。
こちらの思いひとつでいろんなふうにもっていけるのだと感じました。
ありがとうございました。
今後、今日のようなお話を聞かせていただけたらうれしいと思います。
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by sensenogakko | 2008-12-19 22:52 | 教育基礎講座