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センセのガッコ奈良

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いい教育がしたい!とがんばる奈良の先生のために

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2012年度奈良県教育サークル連絡協議会基調提案

 いまこそサークルに!若い先生方を迎えて │

1 民間教育運動の継承と発展に今こそ力を

(1) 2011年8月27日28日第49回近畿東海教育サークル合同研究集会奈良大会
   (2011奈良まるごと研)を奈良教育大学で開催、約380人の参加で大成功

 近畿東海の民間教育団体(民間教育サークル)が、集まって毎年府県を回って開く研究集会です。昨年は奈良でした。実行委員会をつくり、準備をしました。
 集会の後、お会いする方々から、「いい大会だった。」と声をかけていただきました。兵庫の先生からは、お便りをいただきました。「大成功でしたね。今の厳しい時代にあれだけの人を集めたのですから、大したものです。あまんきみこさんの話もよかったですが、会場もバッチリ!若い人を前に出したのもグッドアイデア!奈良の準備が実ったと!!」書いてありました。
 1日目は、全体会は、児童文学者のあまんきみこさんと若手教員との対談。教科等の分科会17開きました。2日目は、41の講座と教材教具お楽しみ広場を開きました。若手の先生に、対談や講座の運営者になっていただき、そこから参加を広げることを考えました。また、チラシでの申し込みに、ネット申し込みも含めてHPでの情報の発信を行いました。
 この集会が、様々なつながりや、広がりが生まれていくきっかけになった集会だったと、後に言われるように今後の取り組みが必要だと感じています。

(2)奈良県教育の課題
 平成24年度の奈良県の異動件数を表にしたものが下記です。(県教委発表)

■ 異動件数
       小・中学校 県立学校 事務局   合 計
 異動総数     1,199    462   103     1,764
 退職 校長      75     13    -       88
 教頭      22     11   -      33
 一般      302     116     6      424
 転勤        800    322    97    1,219

 退職者は545人で昨年比41人の大幅増。60歳定年より前に退職する人が282人と、定年退職者263人を上回っていました。ベテラン教員の早期退職の傾向が更に加速されてきました。
 24年度の新規採用教職員は、518人。小学校242人、中学校143人、高校80人、特別支援34人、養護教諭12人、栄養教諭3人、事務職員4人でした。
 この数字を退職者数と比べてみると

    小・中学校 県立学校
   採用      399     114 
   退職      385     140
+ 14 - 26

 大量採用の時期に入ったといわれていますが、依然非正規教員に頼った教職員数という現状は変わりません。また、小学校で起こっているのは、20代教員と50代教員の比率が高く、中堅の30代40代が少ないことです。10年後には、現在の中堅教員は全て管理職となり、現在の20代教員が学校教育の中心となることが予想されます。
 この10年間に、さまざまな教育遺産を引き継いでいくのかが、奈良県教育の課題となっています。また、民間教育運動も、長く中心となって活動してきた教員が退職を迎えることになります。民間教育運動の継承と発展では、この5年が大きな目安となると考えています。

(3)民間教育サークルの継承と発展に
 「センセの学校奈良」という名前で、教育基礎講座を7年前から始めました。国語・算数・理科・社会・図工・作文・英語・特別支援・民舞・学級指導など、1回2時間半の講座を、年間6回から10回のペースで開いてきました。参加費は1回500円ですが、メール会員になると250円の半額にしました。いろいろな集まりが、メールで届くようにしています。会員登録が150人を超えています。情報発信の大きいい財産に育ってきています。
 奈良で、全国の優れた教育研究や実践に学び、奈良から発信することができるように、学校体育同志会全国大会、全国障害者問題研究会全国大会、子どもを守る会全国集会、奈良まるごと研、そして、第49回近畿東海教育サークル合同研究集会を奈良で開いてきました。今年も継続して取り組みます。

2 新学習指導要領完全実施のもとで

(1)学力向上をめざした学習指導要領の改訂
 この4月から、中学校も学習指導要領が完全実施されました。昨年から実施された小学校の職員室では、「算数の時間数が足りない。終わらない。」「国語の教科書の内容が、おもしろくない。」「外国語活動の準備が大変だ。」「なんでも道徳教育というのは、やりにくい。」といったものでした。
 2年目、家庭訪問に回っていると「去年は、授業のスピードが速くて・・・。」「国語が変わりましたね。書くことが多くなって・・・。」「そのときにわかっていても、時間がたつと忘れていて・・・。」という声を聞きます。学力向上に不安を持った声でした。
 文部科学省は、ゆとり教育への反省から、各学年で教育内容を増やし、授業時数も増やしました。そして、ピサ型学力テストに対応すべく、算数科では算数的活動が強調され、思考と記述が授業展開の中で盛り込まれることで、ピサ型テストの結果で不十分だった学力を伸ばそうとしています。
 一方で、道徳教育が全ての教科で意識されるように求めています。科学的な理解に力点をおくのではなく、規範意識や徳育をもって学習を積み重ねることを求めています。

(2)道徳教育を全ての学習で
 学習指導要領全体の土台となる「総則」に「愛国心教育」を盛り込んだことによって、子どもの内心に踏み込んであらゆる教育の場で「愛国心教育」が強制されることになりました。さらに、すべての教科などで愛国心を含む道徳教育を行えという規定が一段と効力を発揮することになりました。
 例えば、小学校低学年国語で神話を「伝統文化」として「教えろ」ということになるのです。また、小学校の音楽で「『君が代』はいずれの学年においても指導するものとする」を「『君が代』はいずれの学年においても歌えるよう指導するものとする」に修正しています。「愛国心」教育と同様に子どもの内心に踏み込み、さらに教員の指導方法まで明示して、歌えない子どもにむりやり歌わせる指導を強制するものです。これは、国旗国歌法制定時の政府答弁をも逸脱したものです。
 改悪された教育基本法が、教育の内容に実質的な影響力を発揮したものになっています。

3 子どもに現れる格差や貧困

 職員室で、「今日の学年リレー、子どもたちはよく走ったね。」と子どもたちの成長を喜ぶ会話とともに、よく出る話は次のようなものです。「給食費・教材費の集金がそろわないので、どうしよう。」「夜にコンビニに、お弁当を買いに行くらしい、夕食が心配だ。」「保健室に、お腹が痛いと何度も訴えにくる子どもがいるが、どうしたのだろう。」
 放課後、職員室で電話が鳴ると一瞬間があることがあります。学校・教員を批判する電話ではないかと、心配しているからです。
 ひとりひとりの教員の力量だけでは対応しきれないことが、毎日起こってくるのが今の学校現場です。それは日本社会でおきている格差や貧困の影響であることが、明らかです。しかし、その現象と直接対応するのは、学校や教員です。ここにも、大きな課題をもっています。

4 民間教育サークルの研究と実践が道しるべ

 民間教育サークルは、子どもとともに「主権者を育てる」「科学的な認識の獲得」「たのしくわかる授業」などを教育の重要な課題だと考えて取り組んできました。その積み重ねが教育遺産だと思います。この遺産を引き継ぎ発展させることが様々な課題の克服の道しるべになります。一人で頑張るのではなく、共同で研究・実践を進めることが、進むべき道です。今日の生きいき集会の各サークルの分科会で、仲間に入ってください。

5 今こそ、サークル活動を広げるとき

(1)この夏は、奈良で全国規模の研究集会が、3つ開かれます。
 奈良サ連協は、毎年民間教育団体の全国大会の奈良での開催を誘致してきました。今年は、3つの全国規模の研究集会が開かれます。
 まず皮切りは、7月28日29日に学校体育同志会支部大会奈良大会が生駒市立生駒南第二小学校で開かれます。陸上、マット、サッカー、バスケットボール等、実技を交えて学べます。
 続いて8月2日3日4日に第53回図工・美術教育全国研究大会IN奈良が、奈良教育大学附属小学校で開かれます。絵の指導、工作の指導、粘土の指導等が、具体的な作品を通して学べます。
 そして、8月25日26日に第17回登校拒否・不登校問題全国のつどいIN奈良が橿原ロイヤルホテルで開かれます。登校拒否・不登校問題を交流し、学び合う機会です。
 奈良サ連協では、優れた全国の教育研究や実践に学ぶ場、奈良の教育研究・教育実践を、全国に発信する場になるように取り組んでいます。是非この夏、各研究集会にご参加下さい。

(2)第2回奈良の子ども調査に向けて
 「奈良県の子どものストレスと学校・家庭生活との相関に関する調査研究」は、2007年に行いました。奈良教育大学となら県民教育研究所が中心になって、2回目の「奈良の子ども調査」が、いよいよ今年の秋です。奈良の小学校高学年から中学生を対象とした調査です。現在、調査アンケートづくりを中心に取り組みを進めてます。現在広くワーキンググループへの、参加を呼びかけています。
 奈良県の子ども達の状況を、一緒に調べて考えてみませんか。「奈良の子ども調査」に参加を呼びかけます。次回は、5月19日(土)午後1時30分から、奈良教育大学実践センターで開きます。

(3)『第3回奈良まるごと研』・『センセのガッコ奈良』の充実
 一昨年から始まった『奈良まるごと研』を、今年の夏も開く計画を進めています。民間教育団体の優れた教育実践を教育講座という形式で、1日にたくさん学ぼうと取り組んでいます。毎年参加者を増やしています。この夏も開きます。
 昨年度は『センセのガッコ奈良』を6回開くことが出来た。各サークルの会員が講師を務めています。奈良市教組が後援団体として、会場の確保に便宜を図っていただいています。ブログ(http://sensenogak.exblog.jp/)も開いており、民間教育団体との出会いの場となっています。                    
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by sensenogakko | 2012-05-06 21:08 | 奈良の教育サークル等
皆さま、こんにちは。奈良美術教育の会の山室です。

新しい絵の会春季研究会を、“いきいき教育大集会”と合同で開催させていただき有難うございました。
絵の会の方の受付だけですが、二日間で75人の参加があり、予想以上の盛会で、
サ連協の皆さんのご支援に感謝!感謝!!です。

新しい絵の会では、昨年の春季研究会・夏の全国大会を、
東日本大震災や原発問題で緊迫したなか、埼玉で開きました。また、
横浜での冬季研究会では、宮城・福島からのレポートをもとに、
震災・原発事故と復興、学校づくりについて学び合いました。

学校とは何か、地域とは何かが、全国の多くの学校、地域、教育研究サークルで問い直されたと思います。
わたしたち絵の会も、いま、教育の原点に立ち戻って表現のねうちを見つめ直そうとしているところです。

春、若い担い手をたくさん職場に迎えました。その瑞々しい感性に大きな期待を寄せながら、
原点に立ち戻った討議ができることを楽しみにして、わたしは今回の春季研を迎えました。

◆基調提案『いまこそサークルに!若い先生方を迎えて』(西浦事務局長)

教員の世代交代(実践の継承)や高い講師率、学習指導要領問題、格差と貧困の広がりなどのなかで、
県内の各サークルや奈良サ連協がとりくんできたこと、とりくんでいくことを
具体的(日常的なサークル活動・近東集会・教育基礎講座・子ども調査・奈良まるごと研・全国大会)
に示して下さいました。
わたしたち奈良の教員がどんな悩みをもちながらどのようなことに頑張ろうとしているのかを
他府県の方々(教員だけでなく、地域の絵画教室の指導者)に知っていただけたと思います。

そのことによって新しい絵の会の春季研や全国大会がもつ意義の共通理解や意思統一が進みました。
有難うございました。共通理解や意思統一が進んで、ますます意欲や楽しみが増しました。
サークル活動は楽しいものですね。

◆実践報告:『特別なニーズのある子とくらしの絵』(付小:小野先生)

特別な教育的ニーズのあるKさんがくらしを描くことで自分のくらしに目を向け、
くらしのねうちに気づき(自意識)、ねうちに気づいたことでそれを仲間に認めてほしいと願い、
願いに基づいて仲間とのつながりを強めていった姿の報告でした。

表現活動の場面(題材見つけ・意味づけ・小下図・本がき・鑑賞)ごとでの小野さんの指導は、
くらしの絵がもつ本来的な機能(表現とくらしづくりの結びつき)を良く理解したものであり、
図工科の視点からも大いに学び合いたいと思いました。

また、児童会(たてわりグループ)での作品鑑賞会を
Kさんの成長(仲間への意識、自分の作品への満足、自信)へと見事に結びつけている点は、
小野さんがKさんの課題を確かに把握していたからこそ成し得たことだとも思いました。

何度もくり返して言われた「特別なニーズのある子にとっての集団の大切さ」、
また、まとめで述べられた「特別なニーズのある子に有意な指導は、
通常発達の子にとっても原則的なものであること」も優れて教育的な指摘であり、
忘れないようにしたいものです。

◆作品検討会(実践報告)

二日間で計8本のレポートを学び合いました。

о小学校-奈良/徳家さん・栗山さん、兵庫/田中さん、埼玉/大平さん・佐々木さん、京都/橋本さん

о中学校-埼玉/向井さん

о高校-滋賀/若林さん

その中の2つのレポートについて、感想を述べます。

栗山さんの「ぼく・わたしの ザリガニ」は、表現を通して子どもと教員とが
人間的に結びついていく姿に学ばなければならないものでした。
子どもの表現を受けとめ、表現の主体を育てようと悩みを重ねていくなかで、
栗山さんの子ども理解が進み、子どもは自分の作品への自信を大きくしていっていました。
瑞々しさと原則的なねうちとを感じました。

若林さんのレポート「ストロークに身を任す快感、それが『自分だ』!」からは、

□「わたし」があって「表現」が生まれているのではなく、
「表現」することから生成してくる「もの」「こと」、『それが「自分だ」!』

□感情の成長を保障し、こわばった彼らを「表現者」にする美術教育。
モノと対話し、自分と向き合い、他者と対話する。人を認め、人から認められる…。
そして、何よりも「今」に没頭する。

□これは、愛知高校における「学び」への挑戦である。

の言葉がとくに印象的でした。

「県内有数の困難校」と言われる学校の生徒さんたちと若林さんとの「対話」に、多くの参会者が魅せられました。

28日の午前中には、「絵の具入門Ⅰ」「〃Ⅱ」「工作」「塑像(ねんど)」の4つの実技講座があったのですが、
受付に忙しくて参加できなかったのが残念です。

あらためてサークルのとりくみや仕事は楽しいものだと感じました。
全体会や分科会で、サークルの仲間と同じ部屋の“空気”をすっているというだけで何となくほっとします。

それは、この場に集う仲間はみんなが真に子どものために頑張っている、という安堵感のようにも思えます。
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by sensenogakko | 2012-05-03 14:53 | 4月の学習会案内