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センセのガッコ奈良

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奈良市小学校一年生の30人学級

「一人一人に目が届く」ゆとり歓迎 導入3ヶ月の30人学級
奈良市教委の検討委初会合 成果と課題報告
2007.6.29 奈良新聞


 奈良市教育委員会は三十人学級指導法検討委員会を設置、二十八日に市役所で初会合を開いた。本年度から市立の全小学校で一年生を対象に導入した三十人学級の成果と課題を分析、今後の指導にいかす。この日は、委員から「一人一人の子供に目が届くようになった」など、クラスの児童数が減少したことで生まれた「ゆとり」を歓迎する声が相次いだ。

 委員会は、学識経験者のほか、小学校長や教頭、教員八人で構成。中尾勝二教育長が委員を委嘱した後、藤田正奈良教育大学教授を会長に、島恒生畿央大学准教授を副会長に選出した。

 制度導入から約三ヶ月の経過報告では、「三十人学級が始まってみれば、この人数が当たり前のように思えてきた」という意見や、一クラスが十五~十六人になった校長からは「集団生活という点から見れば課題もある。教科によっては二クラス合同で指導するなど工夫したい」という声も。

 また別の小学校の教頭は、新入生の学級形成が進めやすいとした上で「目が届くようになった分、教員が直接的な指導力を強くするのではなく、見守ることも大切」と指摘。担任教諭からは「保護者との連絡が従来より密にとれる」「教員の心の余裕、子供も落ち着いており、多様な指導方法も工夫できる」など教育効果が報告された。

 市教委が一年生児童の保護者と担任教員、計千九百九十七人を対象に実施したアンケート調査の結果、(回収率保護者88.4%、教員82.1%)も報告され、「三十人学級で期待されること」として、子供の学習状況の把握やきめ細かな対応に期待が示された。

 検討委は、検討結果をまとめ、教員研修などにも生かすために本年度内に手引きをつくる。奈良市は来年度小学二年生までを対象に三十人学級を拡大する。

newsそれから:奈良市教委の「30人学級制度」独自実施 /奈良
 ◇「一人一人と触れ合える時間が増えた」--市立左京小を訪問
毎日新聞 2007年6月2日


 子どもたちへのきめ細かな教育を目指し、奈良市教委は4月から小学1年生に限って、「30人学級制度」を独自に実施している。新たに必要になった19人の講師の人件費など、約1億2300万円の予算をかけた新制度。現場ではどのようなことが起きているのか。新1年生の教室を訪ねた。【花澤茂人】

 ◇現場の教師たちは手応え

 市立左京小(小川嘉子校長、481人)に入学した1年生は65人。21人、22人、22人の3クラスに分けた。昨年度は30人と29人の2クラスで、約10人減ったことになる。県の学級編成基準(40人以下)を想定して作った教室は、後ろ半分のスペースが空いている。

 1組の国語の授業を見学した。質問に元気良く手をあげる子どもたちを、担任で学年主任の川崎順子教諭が次々と指し、立って発言してもらう。「発言すると子どもの自信になる。教師としては授業で1人1回は答えてほしい。それが以前より実現しやすくなった」と川崎先生は感じている。

 その後、配られた紙に平仮名の「ひ」の字を練習する子どもたちの間を、先生が歩いて回った。「ここは、もうちょっと長く書いてごらん」「とってもきれいに書けたね」。一人ずつ声をかけて回ると、子どもたちもうれしそうだ。「一人一人と触れ合える時間が増えた。子どもと先生の信頼関係も、直接話をする時間が長ければ早く築ける」と川崎先生。クラスの錦一穂くん(6)も「先生は優しくて好き」と元気良く話す。

 給食の時間。子どもたちは「せんせい、せんせい」としきりに呼びかける。今年から同校に赴任した講師で3組の担任、前原幸嗣さん(34)は「子どもは自分の言いたいことがたくさんある。それを聞くことが大切」と教えてくれた。呼びかけに丁寧に答えるのも楽ではない。「40人もいると限界を超える。今がちょうどいい」と話す。

 2組の担任、石橋正子教諭は「子ども同士も、クラスの友人と触れ合う時間が増えたせいか、いつもより早く打ち解けている」と話す。3組の大久保美月さん(6)も「みんなの名前もう言えるよ」と笑顔いっぱいだ。「児童一人一人へのきめ細かなケア」という狙いで始まった30人学級制度。現場の教師たちは手応えを感じているようだった。

 市教委は、1クラスの児童数を減らした19校を4月に実態調査。保護者からも「家で自分から勉強するようになった」など効果を実感する声があった。学識経験者も交え、指導内容を改めて考える検討委員会を今月にも立ち上げる予定もある。

 ◇欧米、25人前後が普通

 小柳和喜雄・奈良教育大准教授(教育方法学)は「欧米は25人前後の学級が普通。40人いるとどうしても一斉指導になってしまう傾向がある。多様な意見や発想を出すため、ある程度の人数は必要だが、きめ細かな教育という点で30人学級制度は確実に期待できる」と話す。

※ 来年度より生駒市も市立小学校12校全校で、一学年での30人以下学級を導入することを明らかにしています。
by sensenogakko | 2007-07-01 15:38 | 奈良の教育ニュース

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