5月31日(土)教育基礎講座「国語」
若い先生を中心に14名が参加しました。
今回の講師は三嶋滋子先生(元小学校教員)でした。
三嶋先生は、はじめに文学体験が心の基礎を耕し、人間を育てるのだということを
教師としての様々な経験からお話されました。
「文学は人間探求を目的とした言葉の芸術である」という佐古田好一さんの言葉を紹介し、
人間について学ぶ授業である文学の授業は、
人間的な共感を大切にしたい。
それは、ひとりの人間としての教師と子どもが創っていくものであって
何よりも楽しいものでありたいとおっしゃいました。
そして、「子どもたちの心に残る文学の授業づくり」のあり方を
ひとつひとつていねいに教えてくださり、
実際に3年生教材の「モチモチの木」を使って模擬授業をされました。
参加者は児童となって三嶋先生の発問に答えながら
豆太やじさまに同化、異化体験して
どんな風に教師と子どもが文学体験をしていけばよいのかを学びました。
一人一人を大切にした文学の授業(レジュメから)
①一時間の中で「読む、聴く、書く、話す」の活動を
・学習活動を明確化
・子どもをほめて育てる
・イメージ化する(形→象へ)
②文学を文学として読む
・どの子にも豊かな文学体験を 共体験を豊かに 感動的に
・こども達の心を揺さぶり、感動を生み出すような授業を
③自分の考えを持ち、安心して発言できる文学の授業を
・一人一人がよく発言できるような授業
・書くことで自分の思いや考えをまとめる → 交流が深められる
④読み手の思いや考えをださせることが人間認識を深めることにつながる
・子どもの思いやイメージを引き出すはたらきかけ
・子どもの「表現力」を高めるためには、日々の授業で「豊かな感情をもたせる」ことが大切
⑤形象の具体化、表現化とその奥にある意味を読むこと、
さらにまとめ読みでその作品のテーマを子どもたちにつかませることを大切にしたい
・はじめの読み あらすじ・初発の感想・だんどり
・たしかめ読み 形象読み・共体験(感性的な読み)
・まとめ読み 理性的な読み・虚構の世界をつかむ
⑥授業を組み立てていくかぎは「発問」にある
【参加者の感想】
◎大変勉強になりました。
国語を教えるのにどうしたらいいか悩んでいました。
しかし、発問のしかたなど、子どもの気持ちの引き出し方など参考になり
よかったです。
◎三嶋先生の授業で、子どもたちが安心して発言し、
深めていくのがよ~くわかりました。
昨年3年生でやってしまったのですが、
もう一度「モチモチの木」の授業をやり直したい気持ちです。
「ごんぎつね」3学期にやる前に勉強させていただきたいです。
◎国語の研究会にめったに参加することがないので、
とても充実した時間でした。三嶋先生ありがとうございました。
参考になったのが、教材解釈の深さと
発問が構造的に用意されていることでした。
授業の進め方も参考になることが多かったです。
◎今回のように教材を使って教えていただいたのは初めてだったので
とてもわかりやすくて参考になりました。
国語の授業は、私自身どのように進めていくか迷っていたので
少しわかったような気がしました。
これからも、もっともっと深く勉強していきたいです。
◎私自身、国語に苦手意識があって、
授業をどのように進めていけばよいのかに不安に思いながらやっています。
どう発問すればいいのか、どう読み取らせていけばよいのか
とても勉強になりました。参加してよかったと思いました。
◎初めて三嶋先生のお話を聞かせていただき、
本当に参加させてもらえてよかったと心から思いました。
とてもパワフルで、たくさんの想いがつまった三嶋先生の授業を
私も子どもになってぜんぶ受けてみたいと思いました。
毎日、悩みながら授業を考えていますが、
子どもの体験や想いを一番にできる授業ができたらなあと思いました。
◎発問のしかた、進め方など、とてもわかりやすくて今後参考にさせていただきたいと思います。
私のクラスは、登場人物になりきる子たちが多いので
物語(文学)では、本当にいろんな心情や思いを出してくれます。
それを大事にしていける授業づくりをこれからも考えていきたいと思います。