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着衣泳・泳ぎにくさの体験ではありません

「着衣泳・泳ぎにくさの体験ではありません」

                           学校体育研究同志会  牧野 満

近年どの学校でも着衣泳が注目されていますが、
「泳ぎにくさ体験」だけで終わっていないでしょうか。
クロールや平泳ぎなどの近代泳法を学習しておきながら、
着衣泳では近代泳法が役に立たないことを教えているというのは何ともおかしな話です。
そうではなくて、浮いたり漂ったりする背浮きの指導を
着衣泳の中心に据えるべきだと考えます。

着衣泳での授業では、はじめに、1988年に起きた自衛隊の潜水艦「なだしお」と
釣り船「第一富士丸」の衝突事故のことを話します。
30人の犠牲者の中に長野県の若い女性がいたようで、
衝突直後は泳ぐ姿を見ている人もいます。
救助された人の中には、
「あの人なら岸まで泳いでたどりついているものだと思っていた」と証言しています。
彼女は水泳クラブに入っており、泳ぎには自信があったようですが、
水死の状態で発見されたのです。
泳げるという過信が命を落とすことになるなんて悲劇としか言いようがありません。

遭難したときは、できるだけ体力を消耗させず、
浮いて救助を待つことの大切さを子ども達に伝えます。

次に実際の着衣泳の進め方ですが、呼吸が常に確保できる背浮きや、
エレメンタリーバックストローク(絵を参考に)などを中心に学習します。
衣服に空気をためることで背浮きが楽になることも体験させます。

<着衣泳の進め方(一例)>
①(水着で)背浮きを行う。エレメンタリーバックストロークで泳ぐ。
②着替える(上着、ズボンなど着用)。くつを履いても浮き身が取れます。
③クロールや平泳ぎで泳いでみよう。→泳ぎにくさ体験
④背浮きをしよう。
・背浮き(大の字)になった状態で浮く。(大の字の方が浮きやすい)
⑤空気を服にためて浮いてみる。
⑥ペットボトルで浮いてみる。(助けを求めている人に向けて投げるので、ペットボ
トルに少し水を入れておきます。)
⑦渦巻きを作って漂う。合図で大の字になって背浮きで浮く。
⑧エレメンタリーバックストロークで泳ごう。(目的地まで泳ぎます。)

泳ぎにくさ体験で終わらせないための着衣泳の提案ですが、
他にも日本泳法などを取り入れて授業化することも考えられます。
近代泳法の学習と着衣泳の学習はねらいが違うと捉えています。
近代泳法はスポーツとしての水泳を教え、
着衣泳は避難訓練や交通安全教室と同じように
「安全教育」として位置づけるべきだと思います。

エレメンタリーバックストローク
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◆学校体育研究同志会の研究会等のご案内

同志会大阪支部大会(7/26、27)
http://www6.plala.or.jp/manzo/24th.pdf

同志会全国大会(8/9~11)
http://homepage2.nifty.com/murasueyusuke/doshikai.htm
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by sensenogakko | 2008-06-22 15:58 | 教育実践